アラフィフ世代の「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」レビュー
【「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」のネタバレがあります】
アラフィフ世代で「スター・ウォーズ」が特別な映画だった人は多いのではないでしょうか。
1作目のエピソード4の公開時に小学生から高校生。エピソード5、エピソード6と青春の多感な時期を、リアルタイムで「スター・ウォーズ」と過ごすことができた幸運な世代です。
先日、最新作のエピソード7「フォースの覚醒」を観ました。製作陣の強引といってもいい、行き届いた優れた手腕が、作品全体に感じられるものでした。
それはエンドロールに象徴的にあらわれていました。
ジョージ・ルーカスの名前は「ジョージ・ルーカスがつくったキャラクターによる(Based on characters created by George Lucas)」という表記で出てくるだけです。原案・原作などストーリーに係わる表記はなかったと思います。
つまり“2次創作”です。しかし映画はまぎれもなくルーカスが創造した「スター・ウォーズ」の、特に4~6の世界の再構築となっていました。
そしてキャストの名前で最初に出てきたのが「ハリソン・フォード」。
エピソード4~6でも最高に魅力的だったけれど、本人はジェダイではなく主人公にはなり得なかったハン・ソロを、エピソード7で同じ俳優が70歳になって演じ、彼が主役となるとは誰が予想したでしょうか。
ハン・ソロ親子の悲劇のシーンも泣けたというより、正直あっけにとられてしまいましたが、十分理解できる展開だったと思います。
ハン・ソロとレイアとのわずかな会話と表情から、エピソード6以降の30年間があの親子にとっては苦悩の時期であったことが伝わってきました。
宇宙一の技量をもつパイロットと一度は世界を救った母親との間の子供に、どれだけの重圧がかかったか。師とあおいだルークとも決別し、敵軍の中でも煙たがられている彼の闇がどれほど深かったか。2人の再会が最悪の結果をもたらしたのは、必然だったのかもしれません。
40年前、少年だった頃、ハン・ソロは「スター・ウォーズ」の世界に生きる英雄でした。もし彼がヒーローの姿のまま、エピソード6で命を落としてしまっていたら、その喪失感はトラウマになるほど大きかったかもしれません。
しかし自らも成長し、父親との葛藤があり、それを乗り越え、やがて自分の子供と向き合い、再び葛藤する今のアラフィフにとっては、父親としてのハン・ソロにもその息子の心情もともに理解できるものであったのではないでしょうか。
「スター・ウォーズ」は、セミリタイアしていようが、いまいが、僕らアラフィフ世代の映画であり続けるでしょう。
もし自分が「会社を辞めて『セミリタイア生活』」を送っていたなら、次の日の朝からエピソード1から6を一気にマラソン鑑賞していたのに違いありません。
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